骨盤矯正の必要性と正しい治療法とは

最終更新日 : 2024/09/20 | 投稿日 : 2024/04/23

産後の体型が戻らない…股関節がパキパキして痛い…

骨盤周りのお悩みを抱えていらっしゃる方は多いでしょう。

特に、出産を経験された女性に関しては、産後の骨盤矯正は課題の一つになっているかもしれません。

骨盤矯正の必要性は、すでにご存知かと思いますが、実は産前産後だけでなく日頃から意識的に整える必要があります。

こんなお悩みありませんか

  • 産後の体型が戻らず悩んでいる
  • 尿漏れが気になる
  • 急に立ち上がったりしゃがんだりすると恥骨が痛い
  • 股関節がパキパキと音が鳴り違和感がある
  • 座っていて尾骨に地味な痛みがある
  • 腰痛や肩こりがひどく痛みが生じる
  • 足を組んでいないと落ち着かなくなった

骨盤矯正を検討されている方の多くは、産後のマイナートラブルを解消したいという女性が多いかもしれません。女性だけではなく、股関節の不調に悩まされているという男性もいらっしゃるでしょう。

実は、骨盤は身体の中でももっとも重要な部分の一つ。骨盤が歪んでいると、体型だけでなく生殖機能や内臓機能の不調につながることがあります。

こうした不調に見舞われないためにも、骨盤周辺の機能が正しく機能するようケアしなければなりません。

骨盤の役割を知ろう

骨盤矯正という言葉が定着しているように、骨盤にはとっても重要な役割があります。

具体的に、どんな役割があるのかみていきましょう。

支持機能

骨盤は体の重心近くに位置し、上半身の重さを支え下肢に伝える役割があります。立ち姿勢や歩行などの動作ができるのは、骨盤の支えがあってこそなのです。

保護機能

骨盤内部には、膀胱や直腸、女性では子宮や卵巣など多くの重要な臓器が位置します。骨盤は、これらの臓器を外部の衝撃から守る保護カバーのような役割を果たしています。

運動の基盤

骨盤は、多くの筋肉、靭帯、関節の結合点であり、体を動かす際の力の伝達やバランスの取り方にも影響します。たとえば、歩行や走行時の力の伝達、バランスの保持などにかかわるでしょう。
また、正しい姿勢で座れることも、骨盤の役割の一つ。骨盤は、仙骨・尾骨・寛骨といった骨の集まりです。たとえば、座った姿勢は坐骨という部分を使います。坐骨があるからこそ上半身をしっかり支え、座っていても負担がかかりにくくしているのです。

血管と神経の通路

身体の中心にある骨盤は、血管と神経の通り道です。骨盤を通って多くの主要な血管と神経が下肢へと伸びています。これにより、下肢の機能と健康が維持されているのです。

これらの役割を通じて、骨盤は全身の構造と機能の中心的な部位であることは間違いありません。
骨盤矯正は、不調の有無に関係なく、すべての方が整える必要があるのです。

骨盤が歪んだままだとどうなるの?

骨盤の役割は私たちの身体にとって、非常に重要。骨盤が歪んでいる状態が続くと、いくつかの健康問題を引き起こす可能性があります。具体的に、どんなリスクがあるのかみていきましょう。

痩せにくくなる

骨盤が歪むと、身体のバランスが崩れ、筋肉の使い方に偏りが生じます。
その結果、基礎代謝が低下する可能性があり、脂肪が燃えにくくなることが考えられるでしょう。

特に女性の場合、出産前はホルモンのはたらきによって骨盤や仙腸関節、恥骨結合がゆるんで、骨盤が広がりやすくなる準備をします。そして出産後、骨盤はゆっくりと元の状態に戻ろうとします。

しかし、骨盤が正しい位置に戻らない場合、内臓の位置に影響を与え、消化吸収の組織がうまく機能しない可能性があるでしょう。産後の体重管理や体型管理が難しくなるのも、こうした影響が考えられるかもしれません。

生殖機能の不調

骨盤の歪みは、生殖機能の不調を招くことがあります。

女性の場合、骨盤が歪んでいると、骨盤に守られている子宮や卵巣が緊張してしまうことがあります。

子宮や卵巣は、月経や生殖機能といった役割を担う部分なので、ここが緊張してしまうことで月経不順や婦人科系の不調が起きる可能性が考えられるでしょう。

男性では、骨盤の歪みが血流に影響を及ぼし、生殖機能に悪影響を及ぼすことも考えられます。

内臓機能の不調

骨盤の歪みは、内臓機能にも影響することが考えられます。

骨盤が正常な位置にないと、内臓が圧迫されたり、緊張してしまったりと、本来の機能を果たせない可能性があります。

内臓に不調が生じると、消化器官の働きが悪くなったり腸の動きが鈍くなるなど、消化吸収に問題が生じることがあります。また、内臓の不調は血流の悪化を引き起こし、さまざまな健康問題を引き起こす原因となり得ます。

外反母趾

骨盤の歪みが足への負担を増やすことで、足の形状に異常が生じることがあります。特に、足のアーチが正常に機能しなくなり、外反母趾のような足の変形が生じやすくなるかもしれません。

外反母趾は、親指の付け根が外側に突出し、歩行時の痛みや不快感を引き起こすことがあります。

骨盤の歪みは、これらの問題のみならず、全体的な体のバランスに影響を及ぼすため早期の対処と適切なケアが必要なのです。

骨盤の歪みにつながる習慣

骨盤の歪みと聞くと、産後に起きやすいとイメージされやすいかもしれません。

しかし、骨盤の歪みは日常のさまざまな習慣によって引き起こされることがあるもの。
「最近、体重管理が難しくなってきたな」「歩くと股関節が痛むな」と不調を感じる方は、以下の行動習慣がないかチェックしてみてください。

ハイヒールを常用している

ハイヒールを頻繁に履く方は、重心を前方に移動させすぎていないかチェックしてみましょう。

ヒールのある靴を常用する場合、どうしても重心が前にかかりやすくなります。
このため、骨盤が前傾しやすくなり、腰痛や骨盤の歪みを引き起こす原因になるかもしれません。

また、ハイヒールを履くことで足首の動きが制限され、正常な歩行パターンが妨げられることも、骨盤のバランスを悪化させる要因でしょう。

足を組んで座る癖がある

座っているときに、足を組む癖がある方も注意が必要です。

足を組むと片方の骨盤が上がるため、体の左右のバランスが崩れやすくなります。

長時間この姿勢を続けると、骨盤の歪みだけでなく、腰や背中への負担も増えてしまうかもしれません。特に、デスクワークで長時間座る方は、無意識のうちに体に悪影響を与えることがあるので、座っているときの姿勢に注目してみましょう。

逆に、以前より足を組んでいないと落ち着かないという症状もあります。

骨盤がそもそも歪んでしまっているため、無意識に足を組んでバランスを取ろうとしているのです。

こうした症状は、坐骨神経痛が見つかるケースがあります。早めに適切なケアをした方がいいでしょう。

いつも同じ側で荷物を持つ

片方の肩や腕に常に重い荷物を持つことが多いという方は、その側の肩や骨盤が下がる原因になってしまいます。

骨盤の歪みが生じ、長期的には筋肉のアンバランスや痛みを引き起こすことがあります。また、重いバッグを持つことで脊椎にも負担がかかり、背中の痛みや腰の痛みを引き起こす可能性があるので注意してみてください。

片足重心で立つことが多い

片足に体重をかけて立つ癖があると、その側の骨盤が下がりやすくなります。

このような姿勢を長く続けると、骨盤の歪みだけでなく腰や膝への負担も増大してしまいます。

閉経後の子宮状態によっても骨盤は歪みやすい

骨盤の歪みにつながる原因として、閉経後の子宮状態が関係しています。

閉経後の子宮は、伸縮状態にあり、それが全身へ影響を及ぼすことがあります。

特に子宮は、複数の靭帯が支えているため骨盤への影響も出やすいもの。

片側卵巣の切除手術など、バランスの崩れによるものもあり、切除した箇所にも瘢痕など問題
を起こしている事があり、これはオステオパシーの施術で軽減することがあります。

産前・産後の骨盤矯正が必要といわれるのはなぜ?

さまざまな習慣によって骨盤が歪む可能性があることが分かりました。
中でも、出産という大きなイベントを経験した女性の身体は、産後の骨盤矯正が推奨されています。

先ほどお伝えしたように、女性が妊娠をすると4〜5週目あたりから出産に向けて産道を広げ始めます。リラキシンというホルモンが分泌し、仙腸関節や恥骨結合、その周りを支えている組織が徐々にゆるんでいくのです。

さらに、妊娠周期が進むにつれ、胎児の発育とともに体重が増加していきます。骨盤への負荷も、より一層かかってくるでしょう。

出産を終えると、時間をかけて骨盤は元に戻ろうとします。しかし、もともと骨盤に歪みがある方や、骨盤に負担をかける習慣によって正常な位置に戻れなくなり、さまざまな不調を引き起こしてしまいます。

たとえば、骨盤が広がったままだと、内臓が下がってしまい子宮や膀胱などを圧迫することにより女性ホルモンへの影響や尿漏れが生じかねません。

また、内臓がうまく機能せず、ポッコリお腹の原因になりやすく、下半身のむくみが改善されないといったことも起こり得るでしょう。

ここでお分かりいただけるように、骨盤矯正は産後だけでなく産前も必要だということです。

もちろん、出産を控えていない方も、日々の姿勢や習慣によって骨盤が歪むことがあるため、定期的なケアが欠かせません。

骨盤矯正したはずなのに痛みや違和感が残るのはなぜ?

本コラムをお読みくださっている方の中には、すでに骨盤矯正を試みたという方もいらっしゃるでしょう。それにもかかわらず痛みや違和感が残ってしまうのは、骨盤以外の箇所に不調が生じている可能性が考えられます。

ここまでは、骨盤の歪みだけに焦点を当ててきましたが、骨盤の痛みや不調は骨盤だけが直接的な原因ではありません。

骨盤に痛みや違和感がある場合、その原因は実際には骨盤自体ではなく「仙腸関節」に関連していることがあります。仙腸関節は、脊椎と骨盤をつなぐ重要な関節で、骨盤に影響を与えるといわれています。

仙腸関節は、脊椎の最下部にある仙骨と、骨盤の一部である寛骨との間に位置します。上半身を支え、下半身からの衝撃を受けて調整するという複雑な役割を担う重要部位の一つなのです。

仙腸関節が歪んでしまうと、その影響は背骨の一番下に位置する仙骨にとどまらず、脊椎全体に影響を与えかねません。

たとえば、仙骨の位置が変わると、その上にある脊椎もバランスを取るために歪みます。まるで積み木崩しのように、はじめに腰椎、次に胸椎、そして頸椎(首)、最後には頭蓋まで影響が及ぶ可能性があるのです。

一つの部分が衝撃によって影響を受けると、他の部分にも波及してしまいます。

また、仙腸関節の不調は、下半身や股関節にも悪影響を与えることがあります。これは、骨盤のバランスが崩れることで歩行パターンが変わってしまい、脚や腰に余計な負担がかかるためです。

骨盤や脊椎の歪みは、体の自律神経系にも影響を与えることがあります。交感神経や副交感神経の働きが乱れると、身体のさまざまな不調が引き起こされる可能性があります。これには消化不良、睡眠障害、不安感などが起きる可能性があるでしょう。

骨盤が正常に機能しているかセルフチェックしてみよう

では、骨盤が正常に機能しているか、歪んでいないかセルフチェックしてみましょう。

手順は、次のように進めてみてください。

①壁に両手をつけ、足を肩幅に開く
②手で壁を支えながら、両足のかかとをつけた状態でしゃがむ

このとき、
「しゃがみきる前にかかとが浮く」
「股関節が痛くてしゃがめない」

という方は、骨盤に歪みが生じている可能性があるでしょう。
もし、この動きで違和感がある方は、骨盤矯正を積極的に検討する参考にしてみてくださいね。

骨盤矯正するにはどんな治療を受けたらいい?

骨盤の歪みは、骨盤の痛みだけでなく脊椎や胸椎、頸椎や頭蓋までに及ぶ可能性があることが分かりました。また、骨盤の痛みを悪化させる原因として、仙腸関節の不調も考えられます。

骨盤矯正を正しく進めるには、どういった治療を受けたらいいのか迷う方もいらっしゃるでしょう。

特に、他の部分に不調が生じている場合、骨盤だけにアプローチしても身体の不調までは改善できません。

たとえば、肩こり、腰痛、手足のしびれ、頭痛など、慢性的な不調を抱える方の80%は骨盤の歪みが背骨の歪みが原因ともいわれています。

ということは、骨盤の歪みだけでなく背骨の歪みにアプローチをかけない限り、身体の機能を正常にすることは難しくなってしまいます。

骨盤矯正の治療を受けるなら、骨盤だけでなく身体全体からアプローチできる治療院を検討してみてください。

全身から身体の不調を改善するK2オステオパシーの技術

全身から身体の不調を改善するなら、オステオパシーがおすすめです。
当院では、不調を引き起こす原因を診るために「オステオパシー」という技術を用いて不調の改善を図ります。

オステオパシーって何?

オステオパシーは、自然治癒力を最大限に活かして、本来備わっている機能を取り戻す医学療法を指します。

私たちの身体は、頭頂部から足の指先まで膜組織で覆われ、全身でつながっています。
たとえば、筋肉は筋膜、骨は骨膜、臓器なら漿膜(しょうまく)です。血管や神経はもちろん、歯の周りも歯根膜という膜で覆われています。

これらの「膜」は、お互いに影響を及ぼしあってバランスを保っているのです。

骨盤や、骨盤の痛みを悪化させる要因になり得る仙腸関節も、膜組織で覆われています。

膜組織のどこかでねじれや過度の緊張といった不調箇所があると、やがて痛みとして現れる可能性があるでしょう。

オステオパシーは、痛みの箇所だけに注目するのではなく、症状が出るまでに至った「原因」に対してアプローチを図る治療をします。

当院では、骨盤矯正を実施する際も、まずは全身をみて不調の箇所を特定します。決して、骨盤だけに焦点を当てるという施術はいたしません。

当院の骨盤矯正に対する治療法

当院の骨盤矯正へのアプローチは、次のような観点から進めます。

身体を取り巻く組織に注目する

「股関節や腰椎、頸椎、内臓や頭蓋を取り巻く筋膜組織を観察する」

産後の骨盤矯正を効果的に進めるには、股関節や腰椎をはじめ、内臓や頭蓋骨など身体を取り巻く組織にアプローチをかけなければなりません。

骨盤のズレによって起こりうる弊害は、最初は自覚症状がないかもしれません。しかし、放置せず早めのケアが必要です。

骨盤周辺の歪み調整に注目する

出産時は『恥骨結合』が離れ、赤ちゃんが産道を通ります。

その後、恥骨結合は「出産」という強い力により捻じれの力が働くもの。左右の恥骨は、骨が歪んだままであったり、関節がズレた状態で引っ付いていたりというケースが多く確認されます。

現在の産婦人科では、産後リハビリについてパンフレットを渡すことがあっても、必ずしも指導までしてもらえません。

今までで勤務してきたクリニックのスタッフや患者さんでも、産後に身体がどのような状態になっているのか知識を知らないケースがほとんどでした。

さらに、パンフレット自体配布などない医院もあり、産後リハビリについての認知度が低いようにも感じられます。

産後ケアができていないと、子宮の下にある「膀胱」にも圧迫します。頻尿や尿漏れにつながりかねません。

腸などに影響があれば、便秘、免疫力低下なども懸念点です。

さらに、骨盤の歪みによる「左右の足の長さの差が 3cm 以上」であれば、脳や全身に悪い影響(集中力低下など)が出るとも言われています。

当院では、骨盤の関節のみならず 、エネルギーワークや『骨内病変』という「骨の歪み」の修正も行う事でよりよい症状改善を行っています 。

スポーツでいえば、下肢からの力を体幹に伝える際に必ず骨盤に力が伝わります。

その力が骨盤が歪んでいると逃げてしまいます。

特に片手でのスポーツでは特に歪みやすい為ケアをする必要があるでしょう。

当院では「身体は一つのユニットである」という観点で治療を進めます。産前産後の方はもちろん、普段から姿勢が気になる、座っていると首や肩が痛むという方は、ぜひご来院ください。

オステオパシーについては、こちらの記事もご覧くださいね。

オステオパシーとは?特徴や施術方法を分かりやすく解説!|

骨盤矯正を効果的に行うならK2オステオパシーへ

骨盤の痛みに悩みを抱えている方は多いでしょう。

骨盤の歪みは、生殖機能や内臓機能に影響を与えかねません。原因不明の不調をお持ちの場合、この違和感と一生付き合い続けなければならない…そう思われてきた方のつらさは計り知れないものです。

身体のお悩みを根本から改善するには、痛みや不調がなぜ起きているかの原因を見つけ出すことからスタートです。

これまで悩まれてきた方は、私に改善のお手伝いをさせてください。